2025/01/28
事業者:千葉県鴨川市
民設民営方式を検討/市民会館跡地の拠点整備/鴨川市
鴨川市は市民会館跡地の観光拠点化に向け、民設民営方式(PFI事業など)による施設整備などの検討を進めている。2027年度から事業者選定を実施する場合のスケジュールとして▽25年度~26年度中(1年程度)=PFIなど導入可能性調査、基本計画策定▽26年度中~28年度中(15~18か月)=事業者選定▽28年度中=契約▽28年度以降=事業実施――を挙げている。
「海辺のグランドデザイン」に基づき、市民会館跡地に観光の拠点となる施設を整備し、すでに機能を備えた魅力体験広場とともに前原横渚海岸周辺の拠点として、エリア一体の活性化を図る。
民間機能として▽屋内娯楽施設▽温浴施設▽カフェ▽飲食▽物販――を例示している。
また、行政機能として、観光センターなど観光拠点機能、展望デッキ、津波一時避難機能などを併設する予定。
貸し付けによる場合の賃料の想定は、1㎡当たり月額78円。
夏季以外の閑散期における観光客誘致を図るとともに、鴨川シーワールド来訪者や宿泊施設利用者などが立ち寄るスポットとしての機能を検討する。
市民会館跡地は市有地で、横渚808―5ほかに所在。JR安房鴨川駅の東側およそ300mの距離に位置している。国道からは、JR安房鴨川駅を迂回してのアクセスとなる。
敷地面積3477・75㎡のうち、使用可能面積は、防火水槽、浄化槽、防災無線塔、倉庫などを除いた2668㎡。24年6月に市民会館建物の解体を完了した。
非線引き都市計画区域、近隣商業地域、準防火地域に属し、建蔽率80%・容積率200%。また、津波浸水想定区域に該当している。
上水道は引き込み有り。下水については、浄化槽を設置する必要がある。
市場調査に2社/駐車場確保必須
県と千葉銀行が24日に県庁中庁舎10階大会議室で開催した「PPP/PFI地域プラットフォーム24年度第2回セミナー」において、オープン方式のサウンディング型市場調査を実施。大和リース千葉支店(規格建築等事業)と丸正(海産物仕入れ・卸し業)が拠点整備に関する対話に参加した。
大和リースは、事業手法について「民間が建て、何もなく公共に使ってもらうというのは難しいため、予算的な措置が必要」と話し、「リースのほか、予算の平準化や起債ができれば従来方式の建設でもよい。用途によっては補助金を受けるスキームを併用しながら整備していくことも1つの案」とした。また「周辺の公園やプール跡地も活用し、駐車場を確保すべき」と提言した。
丸正は「市民会館跡地だけでは駐車場が足りない。市営駐車場、公園、プールの土地も含めれば、いろいろな考えが出てくる」と話した。温浴施設の整備については「夏季以外の閑散期や夜間の集客・利益が厳しい」と課題を挙げた。さらに「この立地では、観光拠点にはならないと思う。違う考え方を持ったほうがいい」と結論付け、市民や民間企業に対するさらなる意見聴取が必要とした。