ヘッドライン

  1. ホーム
  2. ヘッドライン
  3. 駅裏開発で公園など検討/建設業出身 町政の停滞打破/原宏・御宿町長インタビュー

2025/01/27

事業者:千葉県御宿町

駅裏開発で公園など検討/建設業出身 町政の停滞打破/原宏・御宿町長インタビュー

 2024年12月15日投開票の御宿町長選挙で初当選を果たした原宏氏が、日刊建設タイムズの独占インタビューに応じた。「停滞の町から、挑戦の町へ」をスローガンに掲げて選挙戦に勝利し、「町民の変化を求める思いが結果につながった」と感じている。県道勝浦布施大原線実谷バイパスを最大限活用した「“駅裏”再開発」を公約の一つに挙げており、部田地区の公園化や商業施設など誘致の可能性・必要性を検討する。御宿小学校の老朽化対応や御宿駅へのエレベーター設置については、丁寧に議論を深めていく方針。道路台帳や入札契約手続きの電子化など、行政手続きにもメスを入れる考えだ。

 ――町の印象について。

 原 1970~80年代、御宿町には人が多く、「観光の町」として夏の海水浴場は身動きが取れないほどだった。5年前に御宿に帰ってきてからは、著しい人口減少を実感している。

 ――町長を志した経緯は。

 原 東亜道路工業に38年間勤めた後、61歳で地元の小湊鉄道に入社した。バスの運転手として働く中で、地域の悩みなどが多く聞こえてきた。4年前、同級生から「町長選挙への出馬を目指す」と聞いた。それを受け、自身は町議会議員選挙に出馬することを決意し、「2人で町を変えていこう」と話していた。しかし、その同級生が体調を崩したことから、自身が今回の町長選挙に出馬することを決めた。

 ――選挙戦のスローガン「停滞の町から、挑戦の町へ」や公約について。

 原 町政の停滞を感じていたことから「皆で話し合い、町の新しいあり方を決めていきたい」と考え、このスローガンを掲げた。町民の変化を求める思いが選挙結果につながったと思う。また、「対話と協調のまちづくり」を公約としたが、就任早々に町民から対話の要望が寄せられている。早期にシステムを構築し、動かしていきたい。

 ――公約に掲げた、県道勝浦布施大原線実谷バイパスを最大限活用した「“駅裏”再開発」の進め方は。

 原 バイパスの整備を「部田地区に人を呼び込むチャンス」と捉え、公園化や商業施設など誘致の可能性・必要性を検討する。バイパスの完成までに何ができるかを考えていく。

――丁寧に議論を深めていくとした「御宿小学校の建て替え」はどうか。

 原 築60年を迎える校舎について、数年前に耐震補強を完了していることも踏まえ、建て替えの必要性を再検証する。25年度当初予算に、調査に要する経費を計上することを検討している。

 ――御宿駅へのエレベーター設置について。

 原 単に駅にエレベーターを設置するのではなく、町のバリアフリー化の一環として、総合的な視点で計画していくことが必要。「駅の跨線橋が耐震性能不足でエレベーターが設置できないことから、構内に踏切を造りスロープでホームに上がる方針に転換したものの、その代替として既存の踏切1か所の廃止が必要」というような話が一人歩きしており、事の真偽が不明であるため、情報収集を進め、方針を決定していく。

 ――そのほかの建設関係事業はどうか。

 原 大きな箱物の建設は考えていない。道路関係は維持修繕が中心になるが、将来的に人を呼べる道路を造りたいと思っている。「月の砂漠」が流れるメロディラインを整備すれば、その道路を使用する人が増えるのではないか。道路台帳や入札契約手続きの電子化、道路舗装・構造物などの予防保全型管理への転換、地籍調査を進めていく必要がある。

 ――幹線道路整備の要望は。

 原 半島性の克服に寄与する国道297号の整備を加速してほしい。松野バイパスは街中の一部が完成したものの、前後区間が未整備のため、非常に使い勝手が悪い状況となっている。

 ――趣味について。

 原 幼少のころから海で遊んでおり、家が月の砂漠に近いことから、たまにサーフィンで楽しんでいる。そのほか、スキー、ピアノ、ゴルフをたしなんでいる。車が好きで、大学時代には自動車部に入っていた。自身が建設に携わった道路が全国各地に残っているため、将来、旅をしながら車で巡りたい。

【略歴】
 はら・ひろし
 1958年生まれ(66歳)。日本大学理工学部交通工学科卒。勤務歴は、東亜道路工業、小湊鐵道。町長選挙で2092票を獲得し、前町長の石田義廣氏を破った。「社会資本の整備には建設業が必要」と考えている。

会員様ログイン

お知らせ一覧へ