2025/01/24
事業者:千葉県県土整備部
26年度港湾計画改訂へ/長期構想最終案まとまる/県県土整備部 第4回木更津港長期構想検討会
県県土整備部は23日、第4回木更津港長期構想検討会を木更津市内のエルシオンKISARAZU3階「リップル」で開催し、木更津港長期構想の最終案をまとめた。今後は、2月に長期構想を策定。3月6日開催の地方港湾審議会で、審議会の下部組織として木更津港港湾計画専門部会を設置。2026年5月まで長期構想の取り組み施策を踏まえた「木更津港港湾計画改訂案」の検討を進め、6月に国の交通政策審議会港湾分科会に改訂案を諮り、26年度内の改訂を目指す。
冒頭、あいさつに立った角田秀樹次長は「長期構想は、木更津港の今後に向けて重要な指針となる」と説明し、「最終案をまとめるに当たり、忌憚のない意見を頂戴したい」と求めた。
長期構想の基本理念として「世界と繋がる木更津港~地域とともに~」を設定している。
吾妻地区では、にぎわい空間に必要な用地の拡充、多様なマリンレジャーを複合した親水拠点の形成など観光・交流・アメニティの施策に中心に取り組む。また、物流空間に配慮した小型船の適正収容の施策を進めることで、マリンレジャーの拠点化を図る。
江川地区および君津地区では、盤洲干潟の保全、次世代エネルギーなどの利活用促進の検討、ブルーカーボンの維持・拡大などの環境面の施策に中心に取り組む。
木更津南部地区では、RORO船に対応した岸壁の整備、大型化するガット船に対応するための岸壁増深、物流施設の新設に向けた保管・流通施設用地の確保、クルーズ船・大型プレジャーボート専用岸壁の整備、大規模地震に備えた耐震強化岸壁の整備などを進めていく。
富津地区では、将来的な完成自動車の増加に対応するため、自動車の海上輸送拠点の形成を図るための物流の施策に中心に取り組む。
完成自動車の取り扱いについては木更津南部地区で行っているが、富津地区への段階的な機能集約を図ることで、十分なストックヤード、港内および他港への横持ち輸送の解消を図る。また、機能集約に当たって外貨貨物を取り扱えるよう、SOLAS区域の拡張を検討する。
木更津港の将来像に「県内産業と首都圏の経済活動を支える木更津港」「ウォーターフロントを生かした国内外の人々でにぎわう木更津港」「自然と調和し脱炭素社会へ貢献する木更津港」「安全・安心な暮らしと経済活動を支える木更津港」を掲げた。
将来像に対応する基本方針は▽県内産業と首都圏の経済活動を支える木更津港=自動車の海上輸送拠点の形成、RORO貨物の受け入れ拠点の形成、公共バルク貨物の物流機能向上、物流活性化のための物流用地の形成▽ウォーターフロントを生かした国内外の人々でにぎわう木更津港=港を生かしたまちづくりとの連携による一体的なにぎわい空間の創出、クルーズ船などの受け入れ拠点の形成▽自然と調和し脱炭素社会へ貢献する木更津港=東京湾内に残された貴重な自然環境の保全、カーボンニュートラルポートの形成▽安全・安心な暮らしと経済活動を支える木更津港=激甚化する自然災害に備えた防災拠点機能の拡充、船舶の航行安全の確保、老朽化した港湾施設の維持管理――となっている。
木更津港は、木更津市、君津市、富津市の3市にまたがる海岸線延長約28km、港湾区域7340haを有し、海上輸送網の拠点となる港湾法上の重要港湾に位置付けられている。港湾取扱貨物量は年約5755万tで、全国第13位。鉄鋼業などに関連した外貨貨物や砂・砂利などの内貿貨物を中心に取り扱っており、県南部地域における経済社会の基盤として重要な役割を果たし、京葉工業地帯の一翼を担っている。