コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

  1. ホーム
  2. コラム「復・建」

2014/02/18

大雪

▼豪雪地帯の方々には笑われるだろうが、ここ10日ほどの連続した積雪には閉口した。とくに千葉市では9日未明に33㎝と、1966年からの観測記録を更新。同市内に住む筆者など、週が明けるまで幹線道路へまったく出られぬありさまだった。慣れすぎも要注意だが、不慣れというのも実に恐ろしい
▼首都圏ではまとまった雪が降るたび、その脆弱性があらわになる。今回も広い範囲で高速道路や鉄道などのアクセスが寸断され、県内では「陸の孤島」となった成田空港でも混乱が続いた。10日以降も、凍結した道路でのスリップ事故や足を滑らせてケガをするなどの事故が相次いでいる。15日にかけての積雪で、そうしたリスクはまだまだ続く
▼雪かきに追われ、それだけでも難儀した人が多いだろう。雪量が多いうえに、普段やらないことなのでよけいに疲れるとの声も聞く。もっとも雪かきだけで済むなら、まだ良しとしなければなるまい
▼除雪作業に関しては、弊紙の記事でも紹介した通り、県内の建設業も自治体との災害協定などに基づき各地で奮闘。安全パトロールや重機等による除雪作業、除雪後の融雪剤の散布などを実施した。こうした献身的な建設業の姿は、多くの住民などから地域に必要不可欠な存在として評価されていくに違いない。地道な積み重ねが大きな信頼につながると信じたい
▼内輪話になるが、大雪に限らず、自然の脅威の前で無力に等しいのは新聞社も同じだ。輸送状況の乱れを想定して、必然的に紙面製作の締め切りが早くなる。30分、1時間と繰り上がると、社内は普段にも増しててんやわんやだ。先週末の積雪で、まだ数日は配送態勢に乱れが生じるかもしれない。読者の皆さんには配達の遅れの影響が出てしまい、本当に申し訳なく思う
▼再三の積雪で、今も道路の両側などには、かき集められた雪の塊がうず高く残っている。白い雪は黒く汚れたなれの果ての姿と化しても、なかなか消えようとはしない。自然災害に弱い私たちに、油断大敵と教えているようにも見える。

会員様ログイン

お知らせ一覧へ