コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2014/01/21

建設業界が抱える人手不足

▼建設業界が抱える人手不足の問題を克服し、若者が将来性を見いだせる産業にするには、どのような方策が必要か――。国土交通省がこのほど、有識者や業界関係者らでつくる建設産業活性化会議を立ち上げた。震災復興や五輪開催である程度の建設需要が見込まれる2020年までの「短期」と、高齢化社会などへの対応が求められる約50年先の「中長期」。その両方を見据え、今夏をめどに人材確保策を取りまとめる
▼建設業の就業者数は1997年の約685万人をピークに、2012年は約503万人と実に25㌫以上減少している。長引く不況で公共事業などの工事が減少し、離職者が増えたことに加え、就業をためらう若年者が多いことが要因と言われる。若年者の入職を進めるためには、収入の安定化や社会保険未加入対策といった建設業のイメージアップが避けて通れない課題だ
▼建設投資の減少で疲弊した企業が、将来にわたる社会資本の整備や維持管理、災害時対応などの役割を果たすには、このままでは支障が出かねないとの危機感から、国もようやく担い手の確保・育成の検討に本腰を入れた格好だ。活性化会議では若年者の入職に加え、一度業界を離れた労働者の復帰、女性や外国人の活用も含めて、働く魅力のある産業のあり方を探ることになる
▼初会合の議論を見る限り、キーワードは「誇り」と「地域」と言えそうだ。業界が地域を守ることを誇りに思えるようにすることが何より重要だ。建設業界が衰退すれば、地域の維持も容易でないとの認識をさらに浸透させていく必要がある
▼初会合で太田国交相は「現場で体を使って太陽の下で働く人がいるかどうかが、日本の底力になる」と強調した。人材確保への対応がこれ以上遅れれば、東日本大震災からの復興はもちろん、道路や公共施設などインフラの老朽化対策にも支障が出る恐れがある。産業としての使命を果たすためにも、就労環境の整備とともに、若年者に一生の仕事として選択してもらえる魅力づくりを急がなければならない。

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