コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2012/02/07

予断許さぬ震災関連倒産

▼東日本大震災の影響はいまだ計り知れない。震災関連倒産もその一つだ。信用調査会社の集計では、昨年末現在で震災関連の倒産件数が全国で500件を超え、早くも阪神大震災時の約3~4倍(同期比)に達している。秋以降、発生ペースが一段落した感もあったが、今後も「実質破綻」状態から倒産が確定する企業が増加する見通しで、予断を許さない
▼一口に震災関連倒産といっても「直接被害型」のほかに、「以前から業績悪化が続いていたが、震災による間接的な被害が倒産の引き金になったもの」など、いわゆる「間接被害型」が全体の9割以上を占めるとの集計もある。その原因としては、得意先被災等による売上減少、消費自粛のあおり、仕入先被災等による調達難などが挙げられる
▼震災のみならず、円高やタイ洪水などの複合要因により、売上減少に拍車がかかり倒産に至った企業も少なくない。これまで一定の成果を上げてきた金融円滑化法の効果息切れも懸念される
▼このまま推移すると、震災から1年間の累計倒産は600件を超える見通しで、現時点でも阪神大震災後3年間の合計(394件)を大幅に上回り、今回の震災被害の甚大さを物語る結果にもなっている
▼震災後の津波による直接被害を受けた被災地企業の倒産はまだほとんど判明しておらず、潜在的な倒産増加リスクは極めて高い。これまでは各種救済措置の効果や復興需要で一時的に東北地区の倒産は抑制されてきたが、実質的に営業不能状態にある企業が多数存在しており、さらなる支援策が急務といえる。

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