2025/03/26
歯止めかからぬ出生数
▼「歯止めがかからない」とは、こういうことを言うのだろう。先月発表された2024年の出生数である。厚生労働省の人口動態推計で、9年連続の減少で過去最少の72万988人となった。前年比では実に5%(3万7643人)も減少した
▼この出生数は24年に生まれた子どもの数で、日本で生まれた外国人などを含む。6月に発表される日本人のみの出生数は70万人を割り込む公算が大きくなった
▼死亡数から出生数を引いた人口の「自然減」は89万7696人で、減少幅は前年より約6・5万人拡大し、過去最大。「団塊の世代」全員が25年に75歳以上となる中、今後も死亡数は増え続け、人口減少は加速の一途をたどると予想される
▼生まれた子どもの数が100万人の大台を割ったのは17年で、その後、減少率は前年比3~5%程度で推移し、24年も高止まりした。国立社会保障・人口問題研究所が23年に発表した将来推計人口では、24年は77万9000人にとどまる見通しだったが、実際には、少子化がより進むと想定した低位推計の69万人に近い結果となった
▼中位推計では出生数が72万人台に落ち込むのは39年と見込んでいたが、少子化が想定より15年早いペースで進んでおり、低位推計では40年には出生数が60万人を下回るとされる。出生数が減り続けている要因としては、晩婚化や晩産化が複雑に絡み合い、近年はコロナ禍の影響も考えられる
▼24年の出生数を都道府県別にみると、最も多いのが東京都の8万7376人。以下、大阪府5万5705人、神奈川県5万2534人、愛知県4万8619人、埼玉県4万1987人、千葉県3万5370人、福岡県3万3630人、兵庫県3万2026人と続く。最も少ないのは高知県の3233人で、実に26県が1万人を割っている。前年比でプラスとなった都道府県はない
▼政府は児童手当の拡充などの対策を打ち出しているが、具体的な効果は見通せない。少子化が続く要因を分析し、総合的な見地から早急に方策をたてる必要がある。