コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2024/09/25

2年連続最高の猛暑

▼今夏の全国の平均気温は昨年と並んで過去最高――と聞いても、ぴんと来ない。過去最高は6~8月の3か月間の話で、9月に入っても続くこの暑さでは、夏が終わった感覚はまったくない。この連休を挟んで、さすがに少々秋めいてきた気はするが…
▼気象庁によると、今夏(6~8月)の全国の平均気温は平年と比べ1・76度高く、昨年と並び、統計のある1898年以降で最も暑かった。勢力の強い太平洋高気圧が列島を広く覆ったことなどが要因で、「今年の暑さは異常気象だった」とした
▼長期的には地球温暖化が気温の上昇傾向を底上げしており、来年以降も今年と同等か、それ以上の猛暑が続くものと覚悟しておくべきだろう。冷夏などという言葉を耳にする年が今後来るのかどうかも、はなはだ怪しい▼
7~8月で40度以上の最高気温を記録したのは全国で9地点。7月29日に全国の観測地点で史上最も高い41・1度に迫る41・0度を栃木県佐野市で記録し、8月9日には三重県桑名市で40・4度を観測した。観測史上最高気温も全国914地点のうち144地点で記録した
▼とくに7月は1991~2020年の平均値(平年)よりも2・16度高く、昨年のプラス1・91度を上回った。8月も気温の高い日が多かったが、下旬に日本列島を縦断した台風10号の影響で晴れの日が減り、平均気温は平年と比べプラス1・84度と、史上1位の昨年(プラス2・16度)を下回った
▼年々増す夏の暑さで、私たちの生活も多大な変化を強いられている。猛暑で体調不良を訴える人が続出し、全国の熱中症による搬送人数も14年(6月以降)の約4万人に対し、23年は9万1467人、今年は8月25日までに8万3238人(速報値)に達している。まさに「命に関わる暑さ」に日常的に襲われている状況だった
▼いまだ熱中症の危険性の高い状況が続いており、健康管理への注意を怠ってはならない。働き方改革が叫ばれる時代ではあるが、猛暑対応の視点もこれまで以上に取り入れるべきだろう。

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