コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2024/08/20

歯止めかからぬ人口減少

▼日本人の人口減少に歯止めがかからない。総務省によると、今年1月1日時点の人口は1億2156万1801人で、前年より86万1237人(0・70%)減った。減少数は、初めて80万人を超えた前年より約6万人増え、1968年の調査開始以降で最多となった
▼ピークの2009年(1億2707万6183人)から15年連続の減少で、東京都以外の46道府県が軒並み減少。減少率は秋田県の1・83%が最大で、青森県1・72%、岩手県1・61%と続く。東京、関西、名古屋の3大都市圏でも減少が続いているが、東京都のみ前年比0・03%増となり、3年ぶりに増加した
▼転入者数が転出者数を上回る「社会増」となったのは6都府県で、東京都に次いで神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、福岡県の順。千葉県の人口は611万275人で前年比0・35%減となった
▼日本人の人口減少の最大要因は、言うまでもなく少子高齢化だ。昨年1年間に生まれた子ども(出生数)は過去最少の72万9367人(前年比4万2434人減)。一方、死亡者数は過去最多の157万9727人(同1万4602人増)だった。両者の差となる「自然増減」は85万360人減で、1979年の調査開始以降初めて80万人を超えた
▼一方、その数字に少々驚いたのが日本に住む外国人の人口で、32万9535人増の332万3374人となり、2013年の調査開始以降、初めて300万人を超えた。コロナ禍で一時的に減少したものの、昨年から再び増加に転じ、国外からの転入者数は60万5863人で最多だった
▼加速する人口減少に対し、各自治体は子育て施策の充実などで若い転入者を増やし出生数の増加につなげようとしているが、死亡数が出生者を上回る「自然減」は急激に進み、社会増が目立ちにくくなっているのが実情だ
▼今後、移住者の奪い合いの激化も予想されるが、社会増をうまく活用して自治体間連携などにより地域全体の活性化を図り、出生数増につなげる努力が必要不可欠と言える。

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