コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

  1. ホーム
  2. コラム「復・建」

2024/07/25

「世界人口」ピーク前倒し

▼日本では予想を超える少子高齢化が進展しているが、世界全体を見ると、人口はまだまだ伸び続ける状況だ。現在約82億人いる世界の人口は2080年代半ばに103億人でピークを迎えるとの推計が、国連から発表された。とはいえ、従来の予測では今世紀末に109億人まで増加してピークに達するとされていたが、中国などの出生率低下でピークが早まったという
▼従来の推計では2100年の109億人になると見込んでいたが、今回の推計では今世紀末時点で約7億人少ない数値となり、ピークが80年代半ばに前倒しされた
▼前倒しの理由は、中国など多くの人口を抱える国々での出生率が従来の予測より低下したため。中国の人口は現在の14億1900万人から今世紀末には6億3300万人に半減するというから、その減少ペースの速さに驚かされる
▼ロシアや中国など63の国・地域では今年までにすでに人口がピークに達しており、30年後の2054年までにはブラジルやインドネシアなど48の国・地域でピークに達すると予測されている
▼国別の今年の人口推計ではインドが1位で14億5100万人。2位は中国で14億1900万人、次いで米国の3億4500万人と続く。このうちインドは、今後も人口が増加し54年には16億9200万人となる見込みで、著しい人口減少が予想される中国とは対照的だ。日本はと言えば、今後30年で実に約2100万人減り、減少幅は中国に次ぐ大きさだという
▼世界全体の24年の合計特殊出生率は2・25で、1990年から1.06も減少している。中国をはじめ日本やスペインなど世界の5分の1の国・地域が1.4を下回る「超少子化」に陥っている
▼こうした少子化傾向に対し、平均寿命は24年で73・3歳から54年には77・4歳に上昇する見込みだ。さらに80年までには65歳以上の人口が18歳未満を上回ると推計されている
▼少子高齢化の波は世界全体に確実に押し寄せており、こうした流れを食い止めることは至難の業と言わざるを得ない。

会員様ログイン

お知らせ一覧へ