2024/07/19
インバウンドも千葉は素通り
▼先日、所用で出向いた銀座で、インバウンド観光客の多さに改めて驚かされた。日中はもちろんだが、夕食後にビルから外へ出たときには、日本人買い物客がだいぶ退いたせいもあってか、周囲はほとんど外国人観光客と言っていいありさまだった。インバウンド需要が完全に回復したことを実感した
▼法務省の調べでも、全国の外国人入国者数は昨年秋にコロナ禍前（19年）の水準に戻り、円安の追い風もあって、今年５月時点の速報値では19年同月比で１割程度上回った。具体的には、１月時点で２７６・５万人（同比２％増）、５月時点では３０４・２万人（同比11％増）だった
▼成田空港と羽田空港の外国人入国者数（５月時点）をみると、成田は91・９万人で19年同月比21％増、羽田は53・１万人で同比４７％増となった。増加率では羽田に及ばないものの、19年を２割程度上回った
▼国交省の調べによると、今年１～３月の外国人宿泊者数は、東京都が１２４９万人に達し、19年同期比で約２倍（90・４％増）にまで増加。東京以外も２３２５万人で同比８・４％増と、小幅ながら増加に転じている。一方、千葉県の宿泊者数は87万人にとどまり、同比15・９％減となり、成田空港の外国人入国者数の増加とは対照的に伸びが鈍い
▼ちなみに、神奈川県は１０５万人で19年同期比45・７％増、埼玉県は５万人で同比24・９％増。関東地方では千葉以外は全てプラスに転じ、宿泊者数も、箱根などを擁する神奈川に大きく後れをとっている
▼コロナ禍以前も、成田空港に到着した外国人の８割は東京へ向かい、千葉にとどまるのはわずか１割以下だった。ここ最近の回復局面でも、成田空港周辺への宿泊が期待できる中国人団体客が伸び悩み、残念ながら、千葉を素通りする傾向が鮮明になっている
▼アドベンチャーツーリズムやゴルフツーリズムなどの需要が盛んになれば、本県にも大きなポテンシャルがある。インバウンドによる収益機会を見逃すことがないよう、オール千葉で取り組む必要がある。
