コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2024/06/18

京葉線快速「異例対応」

▼「異例の対応」ではあるものの、その内容は「中途半端」。今回の「一歩前進」だけでは不十分と言わざるを得ず、「多少の改善」の域は出ない。JR京葉線の快速の減便問題で、JR東日本千葉支社が先月末に9月からの快速増便を表明したことへの率直な感想である
▼同支社は3月のダイヤ改正でJR京葉線について朝と夕方以降の通勤快速を大幅に減便するなどしたが、利用客や沿線自治体などからの反発を受け、ダイヤ改正から約2か月余りで再改正を余儀なくされた。3月改正のダイヤを半年で変えるのは、まさに異例だ
▼とはいえ再改正の内容は、平日の快速を上下で計7本を増やすというもの。通勤快速の廃止は再改正後も変わらない。ダイヤ改正に伴う快速の運転本数(上下計、通勤快速含む)は、平日が改正前59本→3月26本→9月33本、土休日は同じく89本→49本→61本となる。本数から見ても、9月予定の再改正は改正前と比べまったく十分とは言えない
▼蘇我駅―東京駅間では、平日朝の通勤時間(6~7時台)の上りは、通勤快速を含む本数が3月に4本から2本に減少し、9月には4本に回復する。一方、夕方の帰宅時間(18~20時台)は、下りの快速が10→0→2本と戻りは少なく、回復どころではない
▼快速と各停の所要時間の差は、蘇我駅―東京駅間で10分以上、内房・外房地域ではそれ以上となる。たかが10分、されど10分。まして10分を超えるとなれば、利用者にとって重大な問題だ。利便性や生産性など様々な面で支障が出るのは間違いない
▼5月22日に発表された千葉市の「ダイヤ改正に関するアンケート」では、約8割が沿線地域全体に「悪影響」と回答。内房・外房では「悪影響」の回答がそれ以上だった。3月のダイヤ改正発表以降には、同支社へも700件近い意見が寄せられ、その9割が反対の声だったという
▼まちづくりや地域活性化の観点からも、引き続きより密接なJRとの意見交換が必要で、さらなる快速復活などの改善を強く求めたい。

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