2023/08/09
帯状疱疹に要注意
▼痛みや発疹の症状が出る「帯状疱疹」にかかる人が増えているという。言われてみれば少し前から、帯状疱疹に関する記事やワクチンの広告などをよく見かけるようになった。患者数増加の背景には高齢者の増加がある一方、比較的若い世代の発症も少なくない
▼かく言う筆者も1年ほど前、初めて帯状疱疹に罹患した。優に1か月以上、発疹やピリピリした神経の痛みなどに苦しみ、症状が下火になってからも発疹の痕が残り、かゆみもしばらく続いた
▼右首筋から背中にかけて異常を感じてから1週間近くも経って、いよいよ医者に駆けこんだ次第で、もっと早く受診していれば軽く済んだのかもしれない。とはいえ、重症化すれば耐えられないほどの痛みやマヒに苦しんだり、失明したりする恐れもあるというから、幸い、重症には至らなかったのだろう
▼帯状疱疹は、水ぼうそうにかかったことのある人に起きるもので、回復後も体内にウイルスが潜んでいて、それが加齢や疲労により抵抗力が落ちて活性化すると発症する。体の片側に帯状にできるのが典型的な症状で、片側だけとは、人間の体もつくづく不思議なものだと思う。50歳頃から発症が増え、80歳までに3人に1人がかかると言われるが、最近では20~40歳代の患者も増えている
▼新型コロナワクチンの接種が始まってから帯状疱疹が増えたという話もあちこちで耳にしたので、調べてみると、コロナワクチン接種後に免疫力が低下し帯状疱疹の発症リスクが高まるとの論文も確かに発表されているようだ
▼筆者もコロナワクチンを何度か接種している時期だったので、無関係とは思えなかった。ただ、コロナワクチンで帯状疱疹ウイルスが再活性化するメカニズムはまだよくわかっておらず、帯状疱疹発症リスクとの明らかな関連は見られないとする研究報告もある
▼とにかくおかしいと思ったら、早めの受診が欠かせないことは言うまでもない。また、帯状疱疹に効果のあるワクチン接種もあるので、ぜひ選択肢に加えておきたい。