コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2023/03/15

減少加速する出生数

▼出生数の推移を示す時系列のグラフを見るたび、暗澹たる気分になる。さほどに日本の出生数の減少傾向は著しく、急速に進む少子化による社会保障制度や経済への深刻な影響を考えずにはいられない
▼全国の2022年出生数は79万9728人(外国人含む)となり、統計のある1899年以降で初めて80万人を割り込んだ。79万人台になるのは33年との推計もあったが、想定より11年早い減少ペースは衝撃的とさえ言える
▼千葉県内の出生数も発表され、22年に県内で生まれた子の数(速報値、外国人含む)は3万7995人で、戦後最少となった。振り返れば、第2次ベビーブームさなかの1973年が8万2960人とピークで、2021年には3万8426人まで落ち込み、4万人を割り込んだ
▼減少ペースも早まっており、5万人台から4万人台までに26年かかったのに対し、4万人台から3万人台まではわずか9年だった
▼県内の市町村別出生数(日本人のみ)は現時点で21年分までしか公表されていないが、21年は御宿町が最少でわずか10人だった。30人を下回る自治体も21年には8町に及び、このままだと小学校の維持が難しくなる自治体も出てくる可能性がある
▼21年と11年を比較すると、出生数が増えたのは流山市(370人増)と印西市(155人増)の2市のみ。流山市は11年が1709人に対し21年が2079人、印西市は11年が721人に対し21年が876人だった
▼一方で減少数が大きかったのは、千葉市(1868人減)、船橋市(1494人減)、松戸市(1070人減)。千葉市は11年が7808人に対し21年が5940人、船橋市は11年が5676人に対し21年が4182人、松戸市は11年が4155人に対し21年が3085人だった
▼本県だけに限っても、出生数の減少は極めて厳しい状況にあり、若い世代が抱える課題に対応した施策を早急に講じる必要がある。岸田政権が打ち出した「異次元の少子化対策」とやらが看板倒れに終わらないことを願いたい。

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