コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2012/09/11

節水は一人ひとりの心がけで

▼この夏は天候が不順で、雨もある程度まとまって降っている気がしていたが、気象庁によれば、北・東日本は記録的な少雨で、首都圏の水がめは非常事態に近い状況だという。自然が相手では致し方ないとはいえ、なかなか思うように肝心の場所に雨は降ってくれない
▼現在、首都圏の水需要を担う利根川水系8ダムの貯水率は平年を大きく下回っている。県では今月4日に渇水対策本部を設置し、節水への協力を県民に呼びかけている。渇水対策本部の設置は2001年8月以来のことで、ここ10年以上は差し迫った渇水の心配はなかったが、今夏の東日本は高温少雨傾向が顕著で、このまま少雨傾向が続くと、取水制限に至る恐れも出ている
▼本県の場合、県内の水需要の3分の2を利根川に頼っている。そのダム8か所の4日現在の貯水量は1億3000万t前後で、貯水率は40%。もし雨が降らなければ、貯水量は1日あたり600~700万tずつ減っていく計算になる。取水制限が実施されると、県内では10%で6万戸、20%で22万戸の水が制限され、暮らしに大きな影響が出る
▼そんな現状への警鐘でもなかろうが、同じ11日にはリビア米領事館が襲撃され、駐リビア大使ら4人が殺害されるという痛ましい事件も起きた。双方に言い分はあろうが、暴力の連鎖を断ち切るのは、やはり粘り強い議論と対話しかない
▼幸い、水需要の8割を占める農業用水は、まもなく収穫期を迎える水田での利用が減少しているため、大きな需要は見込まずに済むが、それでも一人ひとりの節水の心がけが大切になる。東日本大震災以降の電力不足では、すぐに実行できる小さな節電の心がけが重要であることを教えられたが、節水でもそれは同じこと。洗面や歯磨き、炊事、洗濯といった日常生活で、できるところから節水に努めていきたい。

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