コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2020/09/16

風雲急の県知事選

▼来年4月に任期満了を迎える千葉県知事選が風雲急を告げてきた。千葉市の熊谷俊人市長(42)が立候補の意向を固めたほか、鈴木大地スポーツ庁長官(53)を擁立する動きも加速している。本番までまだ半年以上あるが、今から目が離せない
▼熊谷氏の知事選出馬への可能性は仄聞していたが、先ごろ改めて立候補の意欲を示した。各方面との意見交換を重ねてきたと言い、立候補へ向けた準備が着々と進んでいる様子だ。正式な立候補の表明こそまだないが、自ら「思いは固まりつつある」と述べている
▼今後の政治姿勢でも、あらゆる政治勢力の人たちと協調して事に当たる方針を貫き、「県民党」の立場を維持する考えだと言う
▼千葉市では人気の高い熊谷氏が出馬への意欲を示したことで、業界団体などからは早くも歓迎の動きが出ている。台風災害や新型コロナ対応ではSNSなどを駆使して名を挙げたこともあり、県医師会などからも支援の声が上がっている。千葉市の財政再建でも一定の成果を上げた実績がある
▼政治に必要なのは何より「新陳代謝」と考える筆者としては、熊谷氏の若さも魅力的に映る。政治経験いかんよりも、その機動力、行動力に期待したい
▼若さという点では、鈴木大地スポーツ庁長官も負けていない。鈴木氏擁立に向けては自民党県連が調整を進めており、熊谷氏の動向を受けて、擁立への流れがいっそう加速しそうだ。鈴木氏は2015年から初代スポーツ庁長官を務め、行政経験もしっかりしており、知名度のある候補として、白羽の矢が立った。久しぶりの生粋の千葉県人という点もプラス材料だ
▼一方で、現職の森田健作知事(70)の動向も注目される。4期目となる今回の出馬はないとの見方もあるようだが、態度は明確にしていない
▼いずれにせよ、このままいけば激戦必至で、全国的にも注目の選挙となりそうだ。コロナの渦中で千葉県の未来のかじ取りを誰に託すべきか、これからじっくりと見極めたい。その時間はまだたっぷりある。

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