コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2019/01/28

汚名返上したい交通事故死ワースト

▼昨年の全国の交通事故死者数がまとまり、3年連続で過去最少を更新するなか、千葉県が初の全国ワーストとなった。この結果を重く受け止め、1件でも事故が減るよう交通安全対策に全力を尽くさなければならない
▼警察庁の発表では、昨年の全国の交通事故死者数は3215人で前年比317人減。車の安全性能の向上や街頭での取り締まり強化などが減少の要因と考えられる
▼人口10万人あたりの死者も、統計の残る1948年以降で最小の2.54人となり、前年比0.25人減少。65歳以上の死者は1782人で前年より184人減少したが、全体に占める割合は55・4%で、過去2番目に高かった
▼交通事故の死者は「第1次交通戦争」と呼ばれた1970年に過去最悪の1万6765人を記録。96年に1万人を下回ってからは減少傾向が続き、昨年の3215人は70年に比べると5分の1以下にまで減少した▼ただ千葉県内の交通事故死者をみると、昨年は172人と前年比で14人減ったものの、1948年以降、初めての全国ワースト。65歳以上の高齢者が90人と全体の半数以上を占め、歩行中の死者も全体の4割以上に上った
▼県内の交通事故死者は2014年に200人を下回り、その後は180人前後で推移。17年は154人に減ったが、18年は186人に増加し、愛知県の189人に次いで多かった。警察署別では市原署が13人で最も多く、次いで船橋署、木更津署、佐倉署が9人で並んだ
▼19年の10万人当たりの交通事故死者数では、千葉県はベスト5にもワースト5にもランクインしていないが、総数で全国ワーストとなった事実は深刻だ。千葉県は19年以前もワースト上位の状況が続いている
▼交通事故死者数が多い背景には、人口や車の利用者が多い土地柄であることに加え、高齢者の歩行中の事故の多さなどが挙げられる。いまだ年間172人もの尊い命が失われている現実に目を向け、1件でも事故が減るよう努めるとともに、一刻も早く全国ワーストの汚名を返上したい。

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