コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2011/12/26

年の瀬に思う「新年への希望」

▼毎年のことながら、年の瀬はどうしてこうもあわただしいのか。今年も残すところわずか。22日の「冬至」を過ぎると、師走も、あと何日と指折り数える「数え日」となる。まさにカウントダウン。背中を押されるように時が過ぎていく
▼災いを恨まずにはいられない年の暮れではあるが、それだけに来年にかける願いは大きい。来年がより良き年なら、早く跨いで前年の借りを返すのもよかろうが、それにしては先行き不透明なことが多すぎる。何より、遅れ気味の復旧・復興のめどを一刻も早くつけなければならない
▼年の瀬が近づくと、あちこちで1年が早かったとの声を聞く。どうやら今の社会は、自分の歩みより時の流れのほうが速く感じられるものらしい。忘れがたい大事が相次いだ年にあっては、ことさら過ぎ去った時間の意味を考えさせられる。生まれるものより、消えていったものの記憶が鮮明なのはやむを得まい
▼ずいぶん古い話だが、筆者が受験生だったころ、予備校の机の片隅にこんな落書きがあったのを思い出す。「1年は長く苦しく、あせると短いぞ」。受験生には実にシンプルな金言だったが、現代では多くの人がうなずく言葉ではあるまいか。苦しみが長く続くのは願い下げだが、一方で“急いては事を仕損ずる”のも困る
▼さて、来年はどんな年になるのか。ぜひとも災い転じて、日本の“再生元年”といきたい。辰年のイメージも、力強く、上昇気流を思わせる。下を向かずに希望を持ち続けたい。ドイツの劇作家シラーも言っている、「太陽が輝くかぎり、希望もまた輝く」と。

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