2019/04/19
平成における千葉県回顧
▼新元号が「令和」に決まり、平成の時代も今月末で幕を閉じる。30年に及ぶ平成は、千葉県にとってどんな時代だったか。少々楽観的に言うなら、難局を乗り越えながら、新しい時代の成長に向けた基盤固めの時代となろうか
▼交通インフラの整備が着実に進展したことで、人口増加などで一定の経済成長がもたらされた。首都圏の一角をなす恵まれた環境や、来年に控える東京オリンピック・パラリンピックなどの好機が後押ししてきた
▼平成における本県の経済成長率(名目)は、2015年までの平均値は年0・7%とほぼ全国平均並みだが、アベノミクス以降は年2・6%と全国平均2・1%を上回る。アベノミクス初年の13年にリーマンショックからの回復や東日本大震災からの復興が重なった影響が大きい
▼本県人口は平成の30年間で85万人、率にして15・7%増加。89年は542万人だったが、19年1月には627万人に達した。平成の前半に増勢は鈍化したものの、つくばエクスプレス開業により05~10年に転入の勢いが増した
▼今後の人口推移では、中長期的には減少傾向に転じることは避けられないが、当面は県内都市部で高い転入超過が続くと予想される。地方部でも地方創生などにより転出超過幅が縮小するとの見方もある
▼くしくも平成元年の89年には幕張メッセの開業と東京湾アクアラインの着工が重なり、本県にとってのエポックとなった。97年には東京湾アクアラインが開通し、04年の富津館山道路全線開通、05年のつくばエクスプレス開業と続いた。07年に館山自動車道が全線開通し、10年には成田スカイアクセスも開業、18年には外環道の三郷南IC~高谷JCT間が開通した
▼今後も県内では圏央道の全通(24年)や北千葉道路の全通(20年代後半)、成田空港の機能強化(30年代前半)など、大型の交通インフラ整備が進む見通しだ。新たな「令和」時代が、本県の好環境を生かした企業投資やイノベーションへとつながり、さらなる飛躍の時代となるよう期待したい。