コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2012/12/17

自民圧勝で有意義な公共投資を

▼蓋を開けてみれば、戦前の予想以上の自民党圧勝に終わった16日の衆院選。争点が多く、多党乱立でその主張もぼやけてしまった感があるが、国民はこの3年余りの民主党政権に明確な“ノー”を突きつけた。当面最大の課題となる経済対策に、新政権はどう立ち向かうのか
▼自民党は先に、今後10年間で200兆円を防災分野に投じる「国土強靭化計画」を打ち出している。「バラマキ回帰」との批判もあるが、防災対策は最重要項目だ。中長期的な景気対策としても、計画の推進に期待がかかる
▼選挙の公示直前に起きた中央自動車道・笹子トンネルの天井板崩落事故を見れば、老朽化対策が急務であることは明らかだ。橋梁やトンネルなどの老朽化対策を怠れば、重大事故につながりかねない。国民生活の安全を考えれば、修繕や更新は待ったなしの課題と言える。国交省の試算でも、老朽化インフラをすべて更新するには今後50年間で190兆円が必要になるという。もちろん厳しい財政事情を考えれば、優先順位の議論は避けて通れない
▼正直なところ“強靭化”という言葉には、当初いささか時代にそぐわない気もしたが、逆に今では、様々な意味で弱体化しつつあるこの国には、これくらい<RUBY CHAR="強面","こわもて">の押し出しが必要なのではないかと思うようになった
▼民主党政権が終わりを告げたいま、「コンクリートから人へ」というスローガンのほうが、よほど見かけ倒しの看板にすぎなかったように思える。新政権には、「バラマキ回帰」と批判されることのない有意義な公共投資が求められる。

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