2018/05/08
高齢化問題への対応必須
▼国立社会保障・人口問題研究所が公表した将来人口推計(2015年実績値による)の結果には正直、驚かされた。その数値からすれば、今後急速に進展する人口減少と少子高齢化は想像を上回るものと考えざるを得ない。改めて高齢化問題への対応が必至だと痛感した
▼推計によれば、2045年までの30年間で千葉県の人口は76万人減少し、逆に75歳以上の人口は1・6倍に増える。45年の県全体の人口は546万3000人で、15年比で実に12・2%減。一方、医療や介護を受ける必要のある人が多い75歳以上の人口は約6割増えると試算された
▼県全体の人口は、15年の622万3000人から20年は620万5000人、30年は598万6000人、40年は564万6000人に減少すると予測。人口が大都市部に集中する傾向が顕著で、東京都と周辺の県が全国の人口に占める割合は確実に高まる。このため、県の人口減少のペースは首都圏以外の道府県に比べればまだ緩やかと言える
▼45年の75歳以上の人口は県全体で113万人となり、15年の70万7000人から59・8%増となる見込みだ。この増加率は都道府県別で4番目に高い。とくに15~64歳が45年には290万6000人となり、15年の384万4000人から激減する
▼県内における増減の二極化も激しい。市区町村別で15年に比べて45年に人口が増えるのは、千葉市中央区と緑区のほか、流山、印西、木更津、浦安の4市のみ。一方、勝浦、銚子の2市と鋸南、長南、九十九里、白子の4町は15年に比べて人口が半数以下にまで落ち込む見通しだ。東葛地域など東京近郊の都市部と、房総など地方部の人口の偏りがより鮮明になるとみられる
▼将来推計人口は最新の国勢調査の結果により変化するため、将来推計を行うにあたっては今後も様々な増減要因がポイントなるが、たとえ人口減少のスピードが緩和されたとしても、少子高齢化の進展は避けられない。次世代の子どもたちを産み育てられる環境づくりが今こそ急がれる。