コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2018/03/06

五輪後見据えたインフラ整備

▼2020年東京オリンピック・パラリンピックも2年半後に迫り、五輪需要がピークを迎えつつある。関連施設の整備はもとより、各種交通のインフラ整備が本格化している。ただ、五輪が近づけば近づくほど気になるのは、やはり五輪後のことだ。五輪需要後の反動がどれほどかはなかなか見通しづらいが、落ち込みが少ないことを願いたい
▼千葉県内の現状に目をやれば、幕張メッセと一宮の釣ヶ崎海岸で8競技(オリ4、パラ4)が開催されることもあり、交通インフラの整備が活発に進められている
▼成田国際空港は、空港内の利便性向上に向けて、第3旅客ターミナルの機能強化やJR空港第2ビル駅の二重改札解消などが2019年度中に実施される見通しだ。第三滑走路新設の実現はオリパラ後となるが、夜間飛行の制限緩和などはオリパラ前の実現へ協議が進められている
▼道路では、外環道の三郷南IC~市川市高谷JCTの15・5㎞が今年6月までに開通する。圏央道も未開通区間の大栄JCT~松尾横芝IC間が、順調に進めば24年度に全線開通するめどが立った。北千葉道路も市川~国道16号間(15㎞)の整備が直轄事業と有料事業の合併施行とする方針が昨年6月に固まった
▼このほか、茂原一宮道路では長南町~茂原市区間の部分開通(約7㎞のうち4㎞)に向けて整備中。銚子連絡道路も山武市~銚子市の全線開通(約30㎞)へ向けて整備が進められている
▼五輪は基盤整備進捗のマイルストーンとしてとらえられるが、もちろん整備がそこで完結するわけではない。五輪に向けた交通インフラ整備等のうねりを持続的に発展させていくことが何よりも重要だ。暫定的な施設を恒久的なものへと整備する課題にも迫られる
▼人手不足感の強い建設現場では、ICTの活用や働き方改革による生産性向上と担い手確保が喫緊の課題となっている。五輪開催に向けたハード・ソフト両面で万全の準備を進めることで、五輪後も持続的なインフラ整備が実現していく流れをつくりたい。

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