コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2017/12/19

波及する「駅ビル開業」効果

▼千葉パルコや三越千葉店の相次ぐ撤退でJR千葉駅周辺の人の流れの悪化が心配されたが、今年9月の駅ビル「ペリエ千葉」の開業で駅の集客力が高まり、周辺エリアに継続的に波及していることが、ちばぎん総合研究所の調査でわかった。懸念されていた「駅の一極集中」「駅の囲い込み」はなく、駅が集客エンジンとなって周辺を回遊する好循環が生まれているとみられる
▼調査は9月7日のペリエ千葉オープンを受け、駅ビル開業や駅の新装開業、改札内の商業施設「ペリエ千葉エキナカ」開業(昨年11月)の影響を探るため10月5日・8日に実施。駅周辺の8か所で、日曜日と平日の木曜日の午前8時~午後8時に目視での歩行者数をカウントした
▼エキナカ開業前(2016年10月)との比較では、休日は27・2%増の14万8480人、平日は3・9%増の15万3929人と、休日に大きな増加がみられた。駅ビルのオープンで休日を中心に千葉駅を訪れる人が多くなり、エキナカや駅ビルにとどまらず駅周辺エリアまで足を延ばしたと考えられる
▼エキナカ開業後(16年12月)との比較でも、休日6・9%増、平日2・9%増と、ともに増加し、駅の集客力の周辺エリアへの波及が継続している
▼とくに駅東口の駅前広場(クリスタルドーム付近)では、休日が16年10月比73・6%増の5万3510人、平日も同比19・5%増の4万5296人に上った。駅ビルオープンの恩恵を最も受けたエリアとなり、エキナカや駅ビルから西銀座方面などへ人が最も多く流れていることがわかった
▼増加割合では女性が男性よりも多く、話題性の高い駅ビルの開業に女性が敏感に反応し、足を運んでいる
▼折しも先月20日には千葉駅が新装開業からちょうど1周年を迎えた。同駅によると、1日の乗降客は1割増。入場券の売上枚数は1日平均でリニューアル前の約10倍に及び、駅そのものの観光を目的とする人が増えている。来夏には駅ビルが全面開業する予定で、さらなる集客力の向上が期待される。

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