コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2011/08/23

峠を越した節電の夏

▼節電の夏がようやく峠を越えた。荒れ模様となった19日を境に、暑さも一気に和らいだ。供給力に対する電力使用率は最高でも18日午後2時台の90%にとどまり、心配された電力危機も何とか乗り切れそうな雲行きだ。まずは一安心といえよう
▼しかし今年の夏も暑かった。日本国内では2007年以降、1日の最高気温が35度以上の日のことを「猛暑日」と呼ぶようになったが、今夏も記録的な最高気温を伝えるニュースを何度も聞き、熱中症も各地で多発した。こう暑くては、用心に用心を重ねても限界がある。これからは、炎天下における活動の制限なども考えるべき時代になっていくのかもしれない
▼調べてみると、全国的な冷夏は2003年が最後で、それ以降は猛暑が続いている。猛暑が慣れっこの当たり前になってしまうのが怖い。慣れっこといっても、人の体自体がそう簡単に暑さに慣れるものでもない
▼3・11以降の計画停電も厄介だった。とくに弊社のような新聞社には、戦々恐々の日々が続いた。締め切りに終われ、毎日が時間との闘いの中で、発刊が危ぶまれる日もあった。幸い、予定外の休刊は回避できたものの、計画停電による新聞発送時間の繰り上げなどで、締め切り時間を大幅に早めざるを得ない時期もあった
▼暑さが和らいだとはいえ、9月の残暑は厳しくなると予想され、依然として気は抜けない。運転中の原発が順次定期検査に入る冬の電力危機も心配だ。天はまだまだ私たちに試練を与え続ける。被災地ならずとも、たゆまぬ辛抱が肝要だ。

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