コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2012/10/02

東京駅リニューアルで見事な映像ショー

▼週末にたまたま所用で東京駅近くに出向いたところ、思いがけず丸の内駅舎保存・復原完成記念イベント「トウキョウステーションビジョン」に遭遇。幸運にも最新鋭の映像スペクタクルショーを見ることができた
▼丸の内駅舎は1914年に創建され、戦災で南北のドームと屋根・内装を焼失し、戦後に3階建ての駅舎を2階建ての駅舎として修復された。今回の保存・復原工事は2007年から進められ、外観を創建時の姿に再現するほか、地下1階・2階の新設など機能拡大も図られた
▼スペクタクルショーは、創建時の姿によみがえった駅舎をスクリーンに、プロジェクションマッピングという最先端の技術を用いて、東京駅や鉄道の歴史と未来をめぐる光景をCG映像で演出。建物の形状に合わせた映像を超高輝度プロジェクター46台を使って、幅120m・高さ30mという巨大なスケールで繰り広げられた
▼言葉でいえば平凡だが、正直、想像以上の素晴らしい内容だった。1回わずか10分ほどの上映だが、華麗にして幻想的、古今東西そして未来をも感じさせる、まさに時空を超えた感動を味わった。週末のわずか数回の上映で終わってしまうとは何とも惜しい気がする
▼筆者が居合わせた22日夜には、約2000人収容の駅前会場に約1万人が集まり、安全面から途中で打ち切られるハプニングもあった。実際、新丸ビルから望む駅周辺は路上まで人があふれ、ごった返している様子だったが、高度な技術に裏打ちされた芸術的な映像美に多くの人が酔いしれたに違いない。東京の表玄関、東京駅のリニューアルとして誠にふさわしいイベントに思えた。

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