コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

  1. ホーム
  2. コラム「復・建」

2011/07/20

勇気と希望与えた「なでしこ」

▼晴れやかで、誇らしく、感動的な朝だった。18日のサッカー女子W杯「なでしこジャパン」優勝。今回こそメダルを、とは思っていたが、まさか世界の頂点に立ってくれるとは! 最後まであきらめず、走り続けたその頑張りが〝勝利の女神〟を引き寄せた。3・11以降沈みがちな日本にとって、最高のプレゼントになった
▼しかも決勝の相手は、過去に一度も勝ったことのない米国だ。準々決勝では強豪のドイツに勝ち、そして最後は世界ランク1位の米国を撃破。これだけでも「なでしこジャパン」の実力が本物だったと胸を張れる。テクニックと俊敏性を生かしたパスサッカーは、大会を通して本当に見事だった
▼そうはいっても、女子サッカーをめぐる環境は、米国などと比べるとずいぶん差がある。米国代表には有名選手が何人もいて、サッカーで生計を立てているのが一般的だが、日本代表は知名度の高い選手が少なく、昼間は働いて、夕方から練習を始める選手も多いという
▼競技人口が男子のように多くないこともあり、選手育成や施設整備、大会開催のための予算も十分とはいえない。今後、女子サッカーがもっと普及すれば、地位も向上し、スポンサーがつき、スター選手も出やすくなる
▼今回のW杯優勝をきっかけに、サッカーを始める女子が増え、競技の裾野が広がってほしい。そうなれば、日本の女子サッカーはさらに強くなる可能性がある
▼多くの意味でたくさんの人たちに勇気と希望を与えてくれた「なでしこジャパン」。心から〝お疲れさま〟、そして〝ありがとう〟と言いたい。

会員様ログイン

お知らせ一覧へ