2011/05/23
震災報道に自問自答の日々
▼東日本大震災の発生以降、頭から離れないのは、こうした非常時に、小紙のような一地方建設専門紙に何ができるかということだった。地方建設紙には地方建設紙なりの役割がある─。そんな思いが揺らぐことはなかった
▼災害の後処理から応急復旧、さらには復興にいたる道のりで、建設業が果たす役割は途轍もなく大きい。それゆえ、我々建設専門紙が、建設業界の応急復旧への迅速な対応や義援金活動などを積極的に報道することで、少しでも多くの人に建設業の重要性を再認識してほしい。そのために特別編成の編集体制を敷いて、記者を走らせた
▼19日に都内で開かれた「地方建設専門紙の会」の総会では、東北の被災県をエリアとする建設専門紙の出席者が、新聞発行もままならない窮状を訴えた。たとえ新聞発行が可能になっても、インフラの壊滅的な打撃などで沿岸部を中心に新聞が届かない─といった、新聞の使命を果たしたくても果たせない忸怩たる思いが伝わってきた
▼千葉県も被災県だが、こういうときこそ、中央の動き、さらには他の被災県の状況をいち早く伝えることが、国を挙げての復興を目指す上で重要だ。そのためにも、地方建設専門紙のネットワークを最大限に生かしたい
▼先日の一般紙の報道によれば、今回の震災で新聞の重要度が増したとの調査結果が出た。速報性の高い情報はテレビから、詳細な情報は新聞から、という回答が多かったそうだ
▼建設専門紙の場合は、正確で詳細な情報に速報性も求められる。建設業にとって真に有益な震災報道とはどういうものか、これからも自問自答の日々が続く。