コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2011/04/05

崩れ去った「コンクリートから人へ」

▼東日本大震災から3週間あまり。東北の被災地では、少しずつ復興に向けた槌(つち)音が響き始めている。地域の建設専門紙で構成する「地方建設記者の会」の会員である建設新聞社(宮城)からも、津波の被害の大きい仙台市・荒浜地区で、建設業者が使命感に燃えてがれきの撤去や道路・河川の復旧に重機を動かすレポートが届けられた
▼千葉県でも、地震や津波、加えて湾岸埋め立て部の液状化による被害が甚大で、行政と連携しながら懸命に復旧作業にあたる地元建設業者の活動が本格化している。小紙でもその様子を逐次お伝えしているが、こうした非常時にこそ、建設業が人的、物的両面でいかに社会に貢献できるかが示される 
▼予断を許さぬ状況が続く福島第一原発の近くでは、地元建設会社の作業員が、危険と隣りあわせで、自衛隊員とともに重機を操作していると聞く 
▼いまや「コンクリートから人へ」という政権与党のスローガンは崩れ去り、コンクリートの重要性が再認識されつつある。それは、多くの人命や家屋がコンクリートに守られた現実を見れば、おのずと理解できる 
▼日本は関東大震災、第2次世界大戦、そして阪神大震災の後もたくましく復興を遂げてきた。その最前線に立ってきたのは、紛れもなく建設業だった。復興の槌音は、「日本には建設業が必要」ということを告げてもいる 
▼復興への道のりは長く、険しい。しかし顧みて、ぜひとも「この復興は建設業があってこそ」と言わせたい。

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