コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2014/09/29

業界天気図に思うこと

▼物事の状況を天気で言い表すのは珍しくもない手法だろうが、比喩的な括り方としては明快でわかりやすい。帝国データバンクが先ごろまとめた「業界天気図」もその好例で、各業界の好転や悪化などの状況がすんなり頭に入る
▼この天気図では100業界の219業種について、最も良い「快晴」から「晴れ」「薄日」「曇り」「小雨」「雨」、最も悪い「雷雨」まで7段階に分類している。わが業界はいかなる天気かと、無関心ではいられぬ方も多いだろう
▼7段階はさらに「快晴」「晴れ」「薄日」の3段階を「晴天」、「小雨」「雨」「雷雨」の3段階を「雨天」とし、その中間に「曇り」を加えた3つに大分類される。昨今のご時世では「晴天」の範疇なら良しとしなければなるまいが、「雨天」となれば、頭でわかっていても気持ちがふさぐ。また現況「晴天」でも、来期展望が「曇り」以下なら、先行き不安も募ろうというものだ
▼「建設業」の天気を見ると、2013年度は前年度の「曇り」から「薄日」へ好転。14年度の展望も「薄日」で、「公共工事、民間工事の発注がともに増加傾向にあり、上位企業を中心に前年度比増収見込み」と、前向きのコメントが付されている
▼わが新聞業はと見れば、「出版・新聞」の括りで何と最悪の「雷雨」。13年度実績のみならず14年度展望も同様で、「情報、読み物のデジタル化が一層進む見込みで、紙の出版物に対する需要が一段と低迷する可能性が高い」と辛らつなコメントだ
▼これが時代の趨勢と真摯に受け止めるべきことは言うまでもない。新聞社は新聞紙社ではない以上、紙にこだわらずとも生き残れる、と力説する識者もいるように、新聞社も徐々にデジタル化へ軸足を移すべきだろう
▼それでも紙の発刊物としての矜持は忘れたくない。昨今物議をかもした大新聞の誤報騒動は、翻れば新聞の持つ影響力の大きさを暗に示したともいえる。簡単に差し替えのきかない、紙に刷られた活字の重みは、これからも忘れず胸に刻んで進みたい。

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